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JCLのライバルとは?
UKYO CEO
2023.03.01

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JCLのライバルとは?

JCLのライバル、それは世界と社会です。

サイクルロードレース、ジャパンサイクルリーグ(JCL)を語る片山右京
(ジャパンサイクルリーグ代表取締役、片山右京)

UCI(国際自転車競技連合)とは毎日と言っていいほどディスカッションや情報交換をしています。

実は、世界が自転車競技の在り方を模索しているというのが本当の現状なのです。ツールドフランスに出ているトップ選手で年俸億超えは何人もいますが、あれだけのレースでも賞金額はそこまで多くありません。UCIは、権益を統合した新しい自転車ロードレースリーグ構想を検討している模様ですし、トラック競技では、ショーアップして相応の賞金を用意したチャンピオンズリーグ立ち上げにも取り組んでいます。

世界は常に新しいチャレンジをしているし、常に進化しているので、JCLも日本の自転車ロードレースシーンを盛り上げるために世界と連携していかなくてはなりません。私自身、東京オリンピックで全自転車競技の責任者を務めていたのですが、UCIとはかなり深い関係で仕事をしていました。JCLの強みは、その時からの信頼値で、UCIとちゃんとした関係を作れていることだと思っています。

JCLは、国内の既存UCIレースとタイアップするだけでなく、JCLも国内レースをUCIレースに昇格させて、JCLで走ってくれている選手に、海外チームと戦う機会、UCIポイント獲得の機会をもっと提供していきたい、と計画しています。そして、その結果、地域社会の盛り上げにもつながっていくと考えています。ツールド九州のように、日本でも素晴らしいUCIレースが企画されていますので、それらが個別に開催されているのではなく、日本のUCIレースをまとめるシステムもあった方がいいと考えています。もちろん、世界を見習うだけでなく、日本独自の在り方や価値観も発信していきたいとは思っていますね。

JCL代表チームの大方針

サイクルロードレースで世界を目指すJCL TEAM UKYO
(サウジツアーで強風と戦う日本人選手たち)

それから来週には、イタリアを訪問します。UCIとの会話もそうですが、世界に挑戦するために、現地有識者との対話、JCL代表チームであるJCL TEAM UKYOの欧州拠点候補の視察などを行う予定です。

JCLの立ち上げ時の理念である「競技力向上」「日本国籍チームでツールドフランスに出場する」という至上目標のためのステップとして、2024年中はイタリアにベースキャンプを張って、そこから欧州遠征をしていき、2025年にはUCIプロチームとしての活動を行う計画です。もっと言えば、2025年にはグランツール出場を果たしたい。今年UCIプロチームに申請する段取りで資金準備はしていたのですが、現状の競技レベルとしてもちょっと背伸びしすぎかもしれない、というのは経営会議で冷静に議論はしていました。

日本人選手が欧州に挑戦にするには、すべてのケースがそうではありませんが、機材はレンタルされたとしても、ほとんど給料は出ず、精神的なサポートもあまり受けられないまま、武者修行のように実力で生き残る、ということが必要でした。それをやり切ったタフな選手もいましたが、逆に言えば、いつでも簡単に潰れてしまう環境…。それは組織的な活動ではなく、やはり成果も出にくいよね、というのが、ずっと言われてきたことでした。JCL TEAM UKYOは、日本人選手が精神的・身体的に安定して、世界に挑戦できる環境を作っていきたいと強く思っています。

また、競輪場を使わせていただき、長時間ハイパワー巡行が求められる欧州レースに適応できる選手を育成するようなアカデミーの立ち上げも進めています。

自転車の社会的な存在意義は?

サイクルロードレース、ジャパンサイクルリーグ(JCL)を語る片山右京

JCLのもう一つのライバル、社会についてです。

日本では、まだまだ自転車の地位というのは十分高いとは言えないですよね。ヨーロッパでは、自転車が優先され、車が一定距離を取らなければいけないといったルールも存在しています。自転車=乗り物、に乗る以上、ゼロリスクは絶対にありえません。危険もしっかり理解した上で、自己責任ではありますが、リテラシーとモラルを向上させて、安心安全で正しく自転車を楽しむ、ということをもっと発信していきたいと思っています。

その意味では、丸の内クリテリウムでのシンポジウムのように、元警視総監の樋口氏や、橋本聖子氏、国土交通省の金籠氏など、キーマンたる人物が自転車、モビリティとしての在り方を一緒に議論して発信してくれることは、本当に貴重なことだと思っています。JCLは、自転車競技だけでなく、モビリティ・インフラとしての自転車価値向上にも寄与していきたい、という思いです。

また、丸の内クリテリウムのように、都市型の興行的レースをもっと開催していきたいとも思っています。この競技を日本でもっと多くの人に知っていただく、という重要な目標のためです。加えて、認知を向上させるために、他スポーツとのクロスワークも実施していきます。具体的には、昨年にはFC岐阜さんと一緒にグルメライドを開催させていただいておりますが、Jリーグクラブとのタイアップ強化、Bリーグ会場でのイベント開催なども計画しています。もっと言うと、他のスポーツでは結果が出なかったけれども、身体的ポテンシャルの高い選手を自転車競技に呼び込むこともしていきたいと思っています。

実は、F1レーサーのほとんどが自転車トレーニングを採用していたりもするので、身近で効率的なスポーツでは間違いなくありますよね。

信じる力、ファンのみんなと叶えるストーリー


(SEKAI NO OWARI「サザンカ」は好きな歌です)

最後になりますが、よく知っている方ほど、「そんなの絶対できない!」とおっしゃることがあります。

実際、JCLが立ち上がった時も、「負け戦だ」「お金だけもらって逃げた方がいい」などと散々に言われていましたが、その時から信じてくれた仲間とは今もいい仕事ができています。また、JCL TEAM UKYOが出場したサウジツアーやツアーオブオマーンでも、「UCIポイント獲得なんて100%無理」「映像に映ることもないでしょうね」と辛口批評を頂きました。でも、できないと言ってしまったら、絶対にできることはないのです。私もF1レーサーになるまで色々言われましたよ(笑)

私の好きな歌で、こんなフレーズがあります…「いつだって物語の主人公は笑われる方だ、人を笑う方じゃないと僕は思うんだよ」
それから、難易度が高いことは誰だってわかっているので、その発言には、業界人として意味がないのです。自分のライバルは、結局自分です。強く信じられるか、ですから。

JCLは私が個人資金で立ち上げたひとつのプライベートカンパニー、ベンチャー企業です。ただ、いろいろな方にサポート頂き、公器としての役割を求められていることを理解しています。JCLは偉大な目標達成を信じて、全力を尽くすだけです。そして、競技だけでなく、社会にも貢献していかなければなりません。その社会、言ってしまえば自転車界“外”の人達からも、JCLは「できるぞ!」「次は何を見せてくれる?」と信じてもらって声援を貰っているので、皆様に感謝して突き進んでいきます。

平坦な道のりでは決してありませんが、応援してくださるすべての方々と一緒に、この夢をかなえたい。全力を尽くすので信じてください!!