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グランツールを完走した日本人
レース
2023.03.06

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グランツールを完走した日本人

日本人で5人目のグランツール完走者、山本元喜選手

山本 元喜選手、サイクルロードレース、自転車ロードレースのプロ選手、ジロデイタリア完走の日本人
(ジャパンサイクルリーグ1年目は、山岳王に与えられるレッドジャージを獲得)

キナンレーシングチームでは在籍年数で最長(7シーズン目)となる、山本元喜選手は、ジロデイタリアを完走している日本人選手のひとりです。

関係者曰はく「とにかく勝ち気な選手」とのことですが、学生時代はツールド北海道でステージ勝利もしているなど、輝かしい経歴を持っています。そして、ジロデイタリアを完走した翌年に、キナンレーシングチームに移籍を果たしています。

苦しんだ移籍1年目...からのチームをアジアNo.1に!

ジロデイタリアを完走した山本 元喜選手 サイクルロードレース、自転車ロードレースのトッププロ選手のひとり

キナンレーシングチーム移籍1年目は、エースとして参戦した青森での全日本選手権で、当時チーム右京に所属していた畑中選手に完敗となってしまう、苦しいシーズンとなりました…。ジロデイタリアの完走者という期待に対して、思ったような結果を出せず、契約が継続できるのか?という不安が漂う時期もあったそうです…。
(ちなみに、畑中選手は、現在、同じキナンレーシングチームに所属しています)

しかし、その翌年2018年の全日本選手権では、レース前半から逃げ切って、キナンレーシングチーム2年目の新城雄大選手、佐野淳哉選手(マトリックスパワータグ)の3人の逃げ集団に乗り、最終周回の登りで、圧倒的なパワーで引きちぎって約1周回独走しての勝利となりました。
更にその年は、キナンレーシングチームは、ツアーオブジャパンも総合優勝、UCIアジアツアー・ランキング1位にチームを押し上げるなど、メンバーに火をつけた立役者と言えたでしょう。
キナンレーシングチームは、いまや国内トップクラスのチーム。誰もが勝利を狙って動くことができる、積極的なプレーをするのが特徴です。

パワーがすべて!筋肉がすべて!キンニクライマー

ジロデイタリアを完走した山本 元喜選手 サイクルロードレース、自転車ロードレースのトッププロ選手 ジャパンサイクルリーグに加盟して、キナンレーシングチームで走る
登りをこなすのも、全てパワーだ!と言い切っているのが山本選手のキャラクターです。

それは、ヨーロッパで学んできた影響かもしれません。周回コースが多い日本だと、パワーウェイトレシオ(=体重に対して出せるパワー)は重要かもしれませんが、例えばカリカリに体重を絞って、ヒルクライムだけを狙った選手になるよりも、多様なロードレースで勝つために筋肉・パワーをつけるのが大事だ、という思想です。
また、火がついて止まらなくなった様に、逃げて逃げて逃げまくる選手!でもありますが、山本選手の公式ブログにもある通り、レース展開を細かく覚えているほど、クレバーな選手でもあります。

進化を続ける山本選手...スプリントも期待!?

ジロデイタリアを完走した、山本 元喜選手 自転車ロードレース、サイクルロードレース、ジャパンサイクルリーグでのトップ自転車選手
(ジャパンサイクルリーグ2年目の広島ロードレースでは、強豪選手に競って勝利を上げた)

広島ロードレースでは、当時宇都宮ブリッツェンに所属・東京オリンピック代表の増田選手と競り合い、スプリントを仕掛けて勝利をあげています。

逃げ切り独走スタイルの山本選手に、スプリント勝利のイメージは正直ないというのが評価でした…。が、2019年の冬から、スプリント力によって戦略の幅を広げる、という考えの下、オフトレーニングで練習を重ねていました。その翌年の群馬でのレースでは、同じく増田選手と競ってスプリントを決めて勝利しており、今後は、筋肉パワーでのスプリント勝利もファンの皆さんとしては期待できるかもしれません。

そして、ジャパンサイクルリーグ3年目は、JCL代表チームのJCL TEAM UKYOに所属している元チームメイトであり、弟の山本大喜(まさき)選手の世界への挑戦を横目に、きっとその熱い闘志をさらに燃やしているに違いありません。兄弟でのサイクルロードレース、ジャパンサイクルリーグでの挑戦を、ぜひ応援よろしくお願いいたします!