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自転車ロードレースの観戦ガイド
観戦ガイド
2023.03.09

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自転車ロードレースの観戦ガイド

チーム戦で、最速ゴールを狙え!

ジャパンサイクルリーグは自転車ロードレース・サイクルロードレースのトップリーグ 写真は、サウジツアーの最終ステージ
(ワールドチームも多数出場する国際レースのシーン、JCL代表チームも出場して健闘した)

サイクルロードレース・自転車ロードレースは、チーム戦の競技です。5~6人をひとチームとして、最速でゴールラインを割る選手をチームから送り出すのが目的です。

レースは、公道を使いますが、駅前など街中を短い距離で周回する、”クリテリウム”という形式と、山を登ったり、街から街を駆け抜ける”ロードレース”という形式の主にふたつです。

◇クリテリウム映像はこちら ◇ロードレース映像はこちら

世界では、フランス一周を意味する、ツールドフランスが自転車ロードレースの頂点とされており、1903年から毎年7月に行われる、伝統的かつ過酷なレースです。

チーム内の役割......サクリファイス!

自転車ロードレース、サイクルロードレースのトップリーグである、ジャパンサイクルリーグ(JCL)のレースシーン
(エースのため、チームのため、ひたすら風を受けて先頭で走り続けるアシスト選手)

チーム内には、最速でゴールラインを割る事に集中する”エース”と、エースを守って、風よけになって先頭を走る”アシスト”に分かれます。

時速40~50kmで走行する集団は、かなりの向かい風を受けて走ることになりますが、エースはアシストの後ろについて風圧を避けることで、10~30%のパワーをセーブすることが可能です。

アシストは、エースを守るために全力で体力を使うため、場合によっては、ゴールすることができず、自分の成績を求めることはできません。自己犠牲(サクリファイス)をしても、チームのために全力を尽くす…それこそが、プロフェッショナルの仕事です!

ライバルチームと時には協力も

自転車ロードレース、サイクルロードレースのトップリーグであるジャパンサイクルリーグ(JCL)のレースシーン
(予備の自転車を積んで選手のサポートを行うチームカー、監督が同乗している)

チームには、レース中の水分補給やパンクなどメカニックトラブルが生じた際のサポートとして、チームカーがレースに帯同します。チームカーには監督が乗っており、場合によっては無線で選手に戦略の指示をします。

チームカーは隊列を組んでレースに帯同していますが、チームカーの監督同士が、「あの選手は強いから逃がさないように協調しよう」「ペースアップして集団にダメージを与えよう」などと、窓越しに協調を求める場合もあります。

また、集団の選手もライバルチームと会話しており、「集団につかまらないようにみんなで逃げよう!」「今日コンディションどうですか?(探り合い)」
などと、時に協調して一緒に風をよけ合ったり、スピードアップして強い選手をみんなでマークしたり、ライバルチームと一緒に動いて有利に展開できるように立ち振る舞うのも大事な要素になっています。

逃げ&追走集団の頭脳戦

自転車ロードレース、サイクルロードレースのトップリーグであるジャパンサイクルリーグ(JCL)のレースシーン
(大集団が本気で追走すると、あっという間にタイムギャップが縮んで、追いついてしまうことも)

大集団になればなるほど、先頭で風をよける選手をローテーションで何人も交代できるため、スピードがかなりでます。レースでは、小集団が”逃げ”て、大集団とかけっこになるのですが、小集団の逃げに、どれくらい強力な選手が乗っているか?何人くらいの小集団か?というのが、観戦の注目ポイントになります。

強力な選手を逃げに乗せることは、勝率を上げる観点からは最高の流れになりますが、逆に、逃げに有力選手を送り込めない場合は、後方の大集団をコントロールして、頑張って追走をすることを求められます。
強力な選手が逃げようとすると、それは大きなリスクになるので、ライバルチームでマークして、絶対に逃げさせないように追走するなど、展開が起きてきます。

レースの序盤などで、”逃げ”が形成された場合、どのチームからどの選手が逃げにのったのか?確認すると、よりレースの状況がわかると思います!

最後の10kmがアツイ!

自転車ロードレース、サイクルロードレースのトップリーグであるジャパンサイクルリーグ(JCL)のレースシーン、JCL TEAM UKYOの岡選手のスプリント勝負
(ゴールラインで必死の表情でスプリント勝負を決める選手たち)

レースは100km以上の距離で行われますが、最後10kmで、ゴールをかけた展開が激化していきます。

「逃げ集団はどこまで逃げられるか?つかまってしまうか…?」「ゴールスプリントでだれがハイパワーで踏み込んでくるか?」「どこで仕掛けるか?」
などなど、もうすぐにレース結果が分かるようなタイミングです。

レースは2~5時間にも及ぶことがあり、なかなかすべてのシーンをずっと視聴することは難しいかもしれませんが、最後の10kmくらいをまずは見ていただくと、サイクルロードレース・自転車ロードレースの醍醐味を感じることができると思います!

ロードレースは、大自然をバックにして、戦略的でタフな、世界的なメジャースポーツです。ぜひ皆様で楽しんでいただければ幸いです。今後も、観戦ガイドはいくつか出していきますので、よろしくお願いします!