ステージレースは、複数日にわたって行われる自転車レースです。期間は、2日間と短いものからツール・ド・フランスのように3週間かけて行われるステージレースがあります。
これらの各ステージは、タイムトライアル、ロードレースで構成されていて、すべてのステージが終了した後、累積タイムが少ないライダーが勝者となります。
レースの規模によって参加する選手の人数は異なりますが、ツール・ド・フランスのような大きなレースでは約200人もの選手がレースを走ります。個人競技と思われがちな自転車競技ですが、チームで勝利のために、各賞(ジャージ)のために、戦う団体競技なのです。
ステージレースでは、優勝以外にもいくつかの賞が設定されており、チームで目指す賞によってそれぞれ戦略が変わるのも自転車レースの面白さのひとつ。
主催者によって各賞が設定されるため、レースによってジャージの色や設定される賞は様々です。では、どのような賞があるのでしょうか?
各ステージの終了後に、累積タイムが最も少ない選手にリーダージャージが授与され、ステージレース開催期間中に着用します。
ちなみに、個人総合時間ジャージは全チーム最大の目標と言えますが、総合優勝は累積タイムで決まるため、各ステージで優勝しなくても獲得することが可能である点は、覚えておいてくださいね。
ツール・ド・フランスでは「マイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージ)」マイヨはジャージ、ジョーヌは黄色という意味のフランス語。マイヨジョーヌは1903年の第1回大会から存在したわけではなく、集団のなかでも総合首位の選手が目立って分かるようにしてほしいという要望で、主催者が1919年に設定しました。主催する新聞社の新聞紙の色が黄色だったことから採用されたといいます。
同じく、ジロ・デ・イタリアのリーダージャージ「マリア・ローザ」がピンク色なのも主催者の「ガゼッタ・デッロ・スポルト」の紙面がピンクであったためです。
ブエルタ・ア・エスパーニャでは「マイヨ・ロホ」がこれにあたります。初めは、オレンジ色だったこのリーダージャージですが、白、黄色と色を替えながら現在は赤色のジャージとなっています。
ステージレースにおけるスプリントポイントを最も獲得した選手に授与されます。ツール・ド・フランスの「マイヨ・ヴェール(緑色のジャージ)」が有名です。
ステージレースにおける山岳ポイントを最も獲得した選手に贈られるジャージ。ツール・ド・フランスの「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(白地に赤い水玉模様)」が有名です。
若手のライダーのなかで、総合タイムが最も少ない選手に新人賞ジャージが授与されます。主催者によって、U23であったり25歳以下といったように条件は変わりますが、白色のジャージであることが多いです。
各ステージの優勝者は1人ですが、ステージレースを通してさまざまな賞をめぐる闘いが繰り広げられています。チームは戦略を立てて獲得したジャージを守ったり、それぞれのチームで狙う賞を目指して、戦うスポーツなのです。