JCLの立ち上げ時からの理念として掲げている「世界基準となるチームや選手の輩出」、「日本国籍チームのツールドフランスへの出場」。そもそもツールドフランスとはなんですか？ということなのですが、簡単に言い切ってしまうと、自転車選手が憧れる最高の舞台、ということになります。
国内の自転車競技レベルの向上や、世界への挑戦を掲げる我々としては、それは明言して目指すべき大きな目標です。
ツールドフランスに出場した才能あふれる日本人選手はいままでいましたが、日本国籍チームとしての出場は達成できていない”夢”ですし、現時点ではまだまだ遠くにある目標です。
毎年７月に23日間をかけて、フランスをほぼ１周するようなコースで開催される自転車ロードレースの国際大会です。
エースとアシストからなる8人編成のチームが約20チーム出場します。コースは、ゴール地点を毎回パリのシャンゼリゼ大通りとし、平地、山岳などの約20ステージ・約3,500キロメートルを走破する過酷なレースです。
また、グランツールと総称されるヨーロッパを代表する自転車ロードレース三大大会の1つです。
民間企業であるASOという会社が運営をしていますが、ダカール・ラリーなど、タフなスポーツイベントばかり(笑)を複数開催しています。
1903年に初めて開催され、最終ステージを見届けるために何万人もの人々がパリに集まったそうです。
ただ、この時は市民レースとして開催され、レースも夜通し行われたほか、参加者がたった一人の個人戦としてレースに挑んでいたため、チームカーやスペアバイクもなく、それぞれがスペアのタイヤやチューブを体に巻き付けて走っていたとのことです。
今では信じられませんが、鉄フレームと木製リムの20kg近い自転車に乗り、休憩でバーに立ち寄ってアルコールも飲んでいたそうです。もちろん当時はヘルメットも着用していません。
もともと自転車は、フランスの田舎では労働者の交通手段であり、だれもが入手できるアイテムで耐久レースに挑むという、労働者を中心に支持を集めたスポーツでした。
また、公道を使用するため、近隣住民の方に、「ちょっとレースで通るのでごめんね」という意味を込めて、日用品を配ったことも、ツールドフランス名物のキャラバン隊の始まり、とも言われています。
ツールドフランスの会場では、ゾーニングされたVIPエリアがあり、関係者と思われる方々に無料のドリンク・フードを提供しています。
その場で出会った方々とお話をすると「ツールドフランスが当たり前だけど最高峰だよ！」「君のファン選手はだれだい？」「日本で自転車ロードレースを主催しているんだね？」などと、興奮気味に自転車レースを語り合うことができます。
主催者であるASOは、ツールドフランス関連で、売上200億円以上を上げていると言われています。3週間のステージレースでこの売上はなかなかの規模だと思いますが、プロスポーツの興行として、100年を経て形作られてきたひとつの完成形かもしれません。
JCL調べのツールドフランスに関する数字です。放送国数・観客数を見ると、世界の三大スポーツといっても過言ではないですね。
JCLとしても、設立理念の目標を達成するために、色々スタディはしていますが、ツールドフランスに出場するためには、まず端的にお金がもっと必要です(笑)
当たり前ですが、いい選手・いいメカニック・いい監督・いい機材・いいスタッフ・いいオフィス…にはお金がかかります。
ツールドフランスに出場する自転車トップチームの年間予算は、10～80億円の範囲だと聞いています。でも実はこれ、予算の上限値をとっても、サッカーJ1のチームくらいの予算額ではあるんです。10億円で言ったら、サッカーJ2～3の規模感、Bリーグでは、10～20億円あるとトップチーム規模になります。
JCLとしては、自転車ロードレースを主催し、世界に選手を送り出すことが”本業”である会社として、この規模の金額をしっかりと稼いでいきたいと考えていまして、その趣旨に賛同いただいた大手企業様から投資を頂いております。
まだまだ、困難とチャレンジは続きますが、皆さんにいつか、日本が自転車ロードレース大国といってふさわしい土壌を備え、日本国籍の自転車ロードレースチームが世界で大きな活躍を見せている…”その日”をお届けしたいと思っています。
