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“REPORT”高知県宿毛市ロードレース
レース
2023.09.24

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“REPORT”高知県宿毛市ロードレース

期日:2023924日日曜日
開催地:高知県宿毛市 公道特設コース
距離:12.5km x 10周=125km
出場チーム:8チーム  41名出走  完走21
Avg Speed of Winner :44.07 km/h

キナン・ヴィクトワールのオーストラリア勢がレースを席巻!

2023924日(日)、JCL(ジャパン サイクルリーグ )のランキング対象となる「 高知県宿毛市ロードレース」が開催されました。

112.5kmのコースを10周回、125kmで行われるレースは、農道・県道、そして高速道路を封鎖して行われる起伏に富んだダイナミックなスケール。

今年はJCL加盟7チームに、かつてフランスエリートナショナルで大活躍した竹ノ内悠選手が率いる宿毛選抜チームが加わりました。

活性化した展開がレースを動かし続けた前半戦

スタート前には先日のツール・ド・北海道で亡くなった五十嵐選手への30秒間の黙祷を捧げ、安全を胸に誓いスタートラインに並びました。

レースは宿毛市長 中平氏による号砲の後、1周回のパレード走行を行いレースは本格的にスタート。

序盤からブラインドコーナーや狭いスロープの先のUターンなどを利用して選手たちはアタックを繰り返し抜け出しのチャンスを図ります。最初に大きな動きとなったのは2周目の高速道路区間、宿毛選抜の選手のアタックを皮切りに数名の飛び出しが発生し、ひとつになります。

ポイントリーダーのキナン山本選手を含む10名のリードアウトは20秒のタイムギャップで進行しますが、後方も追撃の体制を緩めず3周目には吸収されてカウンターアタックも発生します。しかし、スプリント周回を前に後半にはプロトンは振出しに戻ると、宿毛選抜の松井選手が単独で抜け出し1回目のスプリント賞を獲得します。

シャッフルを繰り返すプロトンからとうとう3名が抜け出す

3周目のスプリント賞のスピードアップを利用し、再びキナン山本選手、昨年度このレースで活躍したVC FUKUOKA 渡邊選手を含む日本人選手6名が先行しレースが動きます。

綺麗なローテーションでリードを続けますが、再び追走をかけるプロトンとは30秒程しか開きません。そして、縦に伸びたプロトンにキャッチされると、分裂と復帰が繰り返された追走の選手たちに疲労の色が見え始めます。

しかし、この日のレースは動きが止まらず、ここをチャンスと果敢に3名の選手がアタック、これが今大会の勝ち逃げとなります。

抜け出したのはキナンのライアン選手ドリュー選手、ヴィクトワール広島のカーター選手という強力な面々。ロングエスケープを得意とする選手たちの強力な攻撃に、さいたま那須サンブレイブ、VC FUKUOKAを中心に追走を掛けますが、差はみるみる広がり1分半となります。

 

キナンの連携を崩すスピードアップ、そして勝負は…

3名で迎えた6周目のスプリントポイントはライアン選手が先着。逃げ切りを図る彼らはそのまま安定したハイペースを維持し続けます。

残り2周、2分開いたタイムギャップを確認するとカーター選手がこの均衡を崩し、スピードアップで勝負に出ます。1度はドリュー選手を引き離すことに成功しますが、カーター選手の番手につくライアン選手は先頭交代を拒否し、ドリュー選手の復帰を待ちます。

レースは残り1周、単独で引き続けたことでややペースが落ちたカーター選手に再びドリュー選手が復帰すると、キナンが優位となります。ラスト500mの丘を越えてホームストレートに現れたのは3名。多くの観客が勝負の行方を見守る中、渾身の力で先行したのはカーター選手、ロングスプリントを狙います。

しかし、左手からライアン選手が鋭い捲りで車輪を奪い、ゴール30m前にはそのスピード差から勝利を確信、ガッツポーズでゴールを切りました。

この戦いから2分30秒後、ホームに現れた4位争いは小集団のスプリント、ここではヴィクトワール広島の阿曽選手が先着、日本人トップの成績を収めました。各チームの選手の積極的な展開が目立った高知県宿毛市ロードレース、昨年を上回る平均時速44㎞のハイスピードレースとなりました。

ライアン選手コメント

非常にハードなレースでしたが、気温や湿度など好条件も揃い、力を発揮することが出来ました。オーストラリアにはハイウェイを走るレースがないので、とてもエキサイティングな気分です。カーターは強かったけれど自分の地元の後輩、得意なパターンを封じて冷静に彼に勝利する流れに集中しました。この素晴らしい環境でレースが出来た事、地元の皆さんに感謝します。